2013年2月13日水曜日

タイポグラフィを意識した日


ギンザ・グラフィック・ギャラリーの『秀英体100』の展覧会はタイポグラフィへを学ぶきっかけになった。



『秀英体100』/ギンザ・グラフィック・ギャラリー/2011年1月11日-1月31日



この展示会では秀英体の誕生から平成の大改刻まで、秀英体の100年を書籍・新聞広告・ポスター・電子書籍等さまざまなメディアを通して紹介している。
























展示会の様子/スケッチ



展示されていたもののひとつに秀英体の「あ」の字があった。
この文字に非常に衝撃を受けてしまった。
「日本にはこんな文字が存在していたんだ…」
つぶれたような力強い字。
整頓されすぎずに奇妙とも言える形に目を引かれた。
(今思えば、ディテールだけに関心がいくのはあまりよいことだとは思われないが)
それはそれでタイポグラフィをはっきりと意識するきっかけになった。





























秀英体初号明朝の「あ」/会場のスタンプ



何かをデザインする時には、文字を扱う場面が非常に多かったので、タイポグラフィーには関心があった。
ひっそりと心の中で「日本人なのに、『日本語』についてどのくらい知っていたのだろう?」と疑問に思っていた。

大学時代、英国の学校で教授に日本語の間隔はどのくらい空けるもの?
1分間でどのくらい読める?
という質問をされたことがあったが、当時は(イラスト中心に勉強していたため)その質問について答えることが出来なかった。
ただ、そのことは帰国してからも心に残ってずっと気になっていた。

その展示を見てからタイポグラフィに興味がわき、専門に勉強したいと思い、朗文堂の新宿私塾に入学することを決意した。
本当は2011年3月に入学する予定だったのだが震災があったため延長することになった。
1年後の2012年の同じ時期に20期生として入学した。

私塾では日本から欧米の歴史に幅広く触れることができた。
日本語の起源や漢字がどのように日本に伝わってきたのかという事。
活字から写植やデジタル化への移り変わりなどを丁寧に学ばせていただいた。
歴史的に価値がある本にも触れることができたのは、非常に貴重な経験になったと思う。

タイポグラフィには歴史があり、知性があり、美があり、技術がある。
これからも歴史や書物に触れ関わっていきたい。 

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